2007年11月02日
アニメやポーズの挙動。
基本的な話は『アニメーションについて。』(http://zusi.slmame.com/e59132.html)を読んでもらうこととして、アニメを作る側の立場で思う、細かな部分の話を今回は書いておきたいと思います。
(注:以下の話はすべて個人的な経験や理解によるもので、なんの保証もありません。バージョンアップ等による変化もあるでしょうから、参考情報としてお使いください)
どこでもチェアーのアニメで経験した今回のことは、アニメやポーズを作る話というよりはむしろ、その使い方や制御の話になるのかも知れません。
もともとアニメやポーズそれ自体、アバターをどのように制御するのかという意味を持つものですから、その区別に本質的な違いはないでしょう。しかし、どのように作るのかという話よりは、作った物の通りにアニメさせるには「どのように作ればいいのか」という、一周したような細かい話だろうと思うわけです。
そして、細かいだけに応用しだいによっては意外なテクニックとして使うこともできる、そんな気がする話でもあります。
◇概略
私は「アバターが椅子に座る」というアニメとポーズを作りました。
アニメは普通に座っている状態から足を組み右手で左腕を掴むという動作で、ポーズはその動作を固定したもの。
足と腕を動かし、アニメでは途中で首と顔を微妙に動かしてありました。
ポーズは足と腕を動かした状態で、首も微妙に動かしてあったのです。
そのアニメを優先順位2でアップし、ポーズは4で。
完成させるまでに何度か修正はしましたが、動かした部位は必要な部分だけでした
そして、アニメでは座りながらチャット時にはキーボードを打つ動作をし、立ち上がって歩く時には手は固定されたまま、でも歩く動作自体は行うという状態。
しかし同時に、アバターの視線に追随するデフォルトの仕様?から、マウスを動かした時には上半身がマウスカーソルの方向へと動くという状態でした。
ポーズのほうはチャットでも歩行でも崩れず、ポーズのまま固定。
しかしこちらも、マウスを動かした時には上半身ごとマウスカーソルの方向へと動くという状態でした。
このまま私は商品化したわけですが、商品の見本などによる感想からご意見をいただき、上半身が動くという点について残念に思う~というお話だったわけです。
そして、その対応として、動いてしまう部位をデフォルトの位置からわずかでも動かすことで、アニメやポーズとして作ったままの姿勢が保てるという助言もいただきました。
そこで確認してみたところ、上半身の中でも「abdomen(腹)」の部位がまったく手つかずで、動かしていないことに気が付いたのです。座ったまま腕を動かす姿勢のため、ほんの少し「chest(胸)」は動かしていました。
というわけで、「abdomen」を1だけ動かした状態で保存し、もう一度アップしました。
その結果。
アニメは優先順位2のままチャットや歩行の動作をする状態で、なおかつマウスカーソルには反応らしい大きな反応はない。
ポーズのほうは固定されたまま、上半身が反応する状態ではなくなったものの、触らなかったままの顔(首から上のみ)がマウスに従って動くということになりました。
簡単に言うと、マウスに従って動いていた上半身が、アニメ製作の時にほんの少し動かすことにより、アニメやポーズ本来の動きに固定されたということになる。
◇原因
アニメーションは「一番最初のフレームからの変化」を読み取ってアニメやポーズと認識する、という根本的な仕組みがこの現象の原因ではないかと推測されます。
なぜこれに気が付かなかったのかというと、私は今まで飲み物や食べ物を主に作っていたので、腕以外の部分を全身の動作として作っていなかったための経験不足が挙げられるでしょう。
また、あるいは動きの激しいアニメを作っていれば、マウスカーソルに従って多少の変化があっても気にならない場合もあるはず。
椅子に座っているアニメやポーズという、静止した状態での動作だからこそ目立ったのだろう~とも思えるのです。
マウスカーソルはアバターの視線を意味しているはず(未確認)なので、優先順位が4のポーズよりも視線の動きは優先される設定であるとも言えるのでしょうか。(ただしこれは、視線の移動に影響を受ける部位が、デフォルトのままアップロードされた時の話)
◇対応と利用
今回は「視線の動き」の影響ということで、上半身に関係する話でした。
腕や足に影響のある他の設定や動作は、あるかも知れません。
助言をしていただいたように、アニメ製作の時点でデフォルトの位置から数値入力でわずかの変化を付けることで、アニメやポーズとして拘束してしまうという対応が妥当でしょう。
これはアニメ製作に『QAvimator』を使用している時の話ですが、おそらく『Avimator』も同じような対応が必要かつ可能ではないかと思われます。(むしろ、データファイルの入出力ではAvimatorのほうが不安定に感じる/苦笑)
あるいは逆に、カーソル移動を伴う動作のアニメやポーズを作る時に、あえて首から上を触らずにデフォルトの状態を維持し、体の動きとは別に「首の動きを状況に沿った自由な動きに設定することも可能」ということにもなるでしょう。
これが何らかのバグに依存した現象であるとすれば、SLや製作ソフトのバージョンアップ等により使えなくなるテクニックになるはずですが・・・。
長々と書きましたが、今回の事は気になる人は気にしてもらえばいいですし、どうでもいい話だと思う人は気にせずともSLは楽しめます。
頭にある”イメージの動作”と”実際の動作”にズレがあっても不思議ではありませんから、イメージのままSLのアニメにすると、実際の動きをよく知る人にとっては不自然だということは、案外ありふれているのだろうとさえ思います。
ただ、作る側の立場としては、自分が作っているものへの適切な理解はあって邪魔にはなりませんから、あえて自分の覚書にも書いてみました。
これからアニメを作る人や今も作っている人など、どなたかの参考として活きればさらに書いた甲斐があるというものです。
貴重なご指摘と助言をいただいたSnさんには、改めまして感謝を。(礼)

(よくよく考えれば、今のところ全商品にアニメかポーズを付けてますね、私/笑)
☆参考
『デモ版、ご用意のお知らせ。』
http://zusi.slmame.com/e57179.html
『デモ版の追記、その他』
http://zusi.slmame.com/e57790.html
(注:以下の話はすべて個人的な経験や理解によるもので、なんの保証もありません。バージョンアップ等による変化もあるでしょうから、参考情報としてお使いください)
どこでもチェアーのアニメで経験した今回のことは、アニメやポーズを作る話というよりはむしろ、その使い方や制御の話になるのかも知れません。
もともとアニメやポーズそれ自体、アバターをどのように制御するのかという意味を持つものですから、その区別に本質的な違いはないでしょう。しかし、どのように作るのかという話よりは、作った物の通りにアニメさせるには「どのように作ればいいのか」という、一周したような細かい話だろうと思うわけです。
そして、細かいだけに応用しだいによっては意外なテクニックとして使うこともできる、そんな気がする話でもあります。
◇概略
私は「アバターが椅子に座る」というアニメとポーズを作りました。
アニメは普通に座っている状態から足を組み右手で左腕を掴むという動作で、ポーズはその動作を固定したもの。
足と腕を動かし、アニメでは途中で首と顔を微妙に動かしてありました。
ポーズは足と腕を動かした状態で、首も微妙に動かしてあったのです。
そのアニメを優先順位2でアップし、ポーズは4で。
完成させるまでに何度か修正はしましたが、動かした部位は必要な部分だけでした
そして、アニメでは座りながらチャット時にはキーボードを打つ動作をし、立ち上がって歩く時には手は固定されたまま、でも歩く動作自体は行うという状態。
しかし同時に、アバターの視線に追随するデフォルトの仕様?から、マウスを動かした時には上半身がマウスカーソルの方向へと動くという状態でした。
ポーズのほうはチャットでも歩行でも崩れず、ポーズのまま固定。
しかしこちらも、マウスを動かした時には上半身ごとマウスカーソルの方向へと動くという状態でした。
このまま私は商品化したわけですが、商品の見本などによる感想からご意見をいただき、上半身が動くという点について残念に思う~というお話だったわけです。
そして、その対応として、動いてしまう部位をデフォルトの位置からわずかでも動かすことで、アニメやポーズとして作ったままの姿勢が保てるという助言もいただきました。
そこで確認してみたところ、上半身の中でも「abdomen(腹)」の部位がまったく手つかずで、動かしていないことに気が付いたのです。座ったまま腕を動かす姿勢のため、ほんの少し「chest(胸)」は動かしていました。
というわけで、「abdomen」を1だけ動かした状態で保存し、もう一度アップしました。
その結果。
アニメは優先順位2のままチャットや歩行の動作をする状態で、なおかつマウスカーソルには反応らしい大きな反応はない。
ポーズのほうは固定されたまま、上半身が反応する状態ではなくなったものの、触らなかったままの顔(首から上のみ)がマウスに従って動くということになりました。
簡単に言うと、マウスに従って動いていた上半身が、アニメ製作の時にほんの少し動かすことにより、アニメやポーズ本来の動きに固定されたということになる。
◇原因
アニメーションは「一番最初のフレームからの変化」を読み取ってアニメやポーズと認識する、という根本的な仕組みがこの現象の原因ではないかと推測されます。
なぜこれに気が付かなかったのかというと、私は今まで飲み物や食べ物を主に作っていたので、腕以外の部分を全身の動作として作っていなかったための経験不足が挙げられるでしょう。
また、あるいは動きの激しいアニメを作っていれば、マウスカーソルに従って多少の変化があっても気にならない場合もあるはず。
椅子に座っているアニメやポーズという、静止した状態での動作だからこそ目立ったのだろう~とも思えるのです。
マウスカーソルはアバターの視線を意味しているはず(未確認)なので、優先順位が4のポーズよりも視線の動きは優先される設定であるとも言えるのでしょうか。(ただしこれは、視線の移動に影響を受ける部位が、デフォルトのままアップロードされた時の話)
◇対応と利用
今回は「視線の動き」の影響ということで、上半身に関係する話でした。
腕や足に影響のある他の設定や動作は、あるかも知れません。
助言をしていただいたように、アニメ製作の時点でデフォルトの位置から数値入力でわずかの変化を付けることで、アニメやポーズとして拘束してしまうという対応が妥当でしょう。
これはアニメ製作に『QAvimator』を使用している時の話ですが、おそらく『Avimator』も同じような対応が必要かつ可能ではないかと思われます。(むしろ、データファイルの入出力ではAvimatorのほうが不安定に感じる/苦笑)
あるいは逆に、カーソル移動を伴う動作のアニメやポーズを作る時に、あえて首から上を触らずにデフォルトの状態を維持し、体の動きとは別に「首の動きを状況に沿った自由な動きに設定することも可能」ということにもなるでしょう。
これが何らかのバグに依存した現象であるとすれば、SLや製作ソフトのバージョンアップ等により使えなくなるテクニックになるはずですが・・・。
長々と書きましたが、今回の事は気になる人は気にしてもらえばいいですし、どうでもいい話だと思う人は気にせずともSLは楽しめます。
頭にある”イメージの動作”と”実際の動作”にズレがあっても不思議ではありませんから、イメージのままSLのアニメにすると、実際の動きをよく知る人にとっては不自然だということは、案外ありふれているのだろうとさえ思います。
ただ、作る側の立場としては、自分が作っているものへの適切な理解はあって邪魔にはなりませんから、あえて自分の覚書にも書いてみました。
これからアニメを作る人や今も作っている人など、どなたかの参考として活きればさらに書いた甲斐があるというものです。
貴重なご指摘と助言をいただいたSnさんには、改めまして感謝を。(礼)



(よくよく考えれば、今のところ全商品にアニメかポーズを付けてますね、私/笑)
☆参考
『デモ版、ご用意のお知らせ。』
http://zusi.slmame.com/e57179.html
『デモ版の追記、その他』
http://zusi.slmame.com/e57790.html
Posted by Zusi at 00:05│Comments(4)
│ものづくり
この記事へのコメント
1フレーム目との差異がアニメとなるのはSLの仕様ですね。
これを気づかぬうちに「なんで動いちゃうんだ〜?」って事になるのは
アニメ作る人みんなが通る道みたいです。
この仕様を使う事で、上半身アニメと下半身アニメを複数作り、
それらスクで組み合わせたりタイミングをずらしたりして再生する事で
コンテンツに入っているアニメの数以上の動きをさせるなんて事も
出来ますよ。
これを気づかぬうちに「なんで動いちゃうんだ〜?」って事になるのは
アニメ作る人みんなが通る道みたいです。
この仕様を使う事で、上半身アニメと下半身アニメを複数作り、
それらスクで組み合わせたりタイミングをずらしたりして再生する事で
コンテンツに入っているアニメの数以上の動きをさせるなんて事も
出来ますよ。
Posted by maaya yohkoh at 2007年11月02日 07:05
☆maaya yohkohさんへ
>1フレーム目との差異がアニメとなるのはSLの仕様ですね。
なるほど、私も知識としては知っているつもりでしたが、こうして自分で体験すると理解できますね。
やっと意味がつながったという感じです。(笑)
>この仕様を使う事
やはり、積極的に利用するようなこともできるんですねぇ。
自分ではアニメ職人のつもりはないので、そこまでレベルの高い調整をするかどうかは分かりませんが、コメントをありがとうございました。
まだまだ基本的なことで使いこなせていない部分も多いのでしょうが、少しずつやっていきたいものです。
>1フレーム目との差異がアニメとなるのはSLの仕様ですね。
なるほど、私も知識としては知っているつもりでしたが、こうして自分で体験すると理解できますね。
やっと意味がつながったという感じです。(笑)
>この仕様を使う事
やはり、積極的に利用するようなこともできるんですねぇ。
自分ではアニメ職人のつもりはないので、そこまでレベルの高い調整をするかどうかは分かりませんが、コメントをありがとうございました。
まだまだ基本的なことで使いこなせていない部分も多いのでしょうが、少しずつやっていきたいものです。
Posted by Zusi
at 2007年11月02日 19:03

今、ロボット作成してて・・・ アニメの使い方
参考になりました。
ありがとうございます。
参考になりました。
ありがとうございます。
Posted by つかさ at 2008年02月07日 13:38
☆つかささんへ
読みにくい書き方で恐縮でしたが、ご丁寧にコメントをくださって、こちらこそありがとうございます。
アニメについてはラグの影響もあるようですので、想定していない動きだと感じた場合は、場所を変えて試してみることも必要なのかも知れません。
私もまたまだ分からないことが多いので、何かお気づきのことでもありましたらまたどうぞ。
ロボの完成を祈ってます。(笑)
読みにくい書き方で恐縮でしたが、ご丁寧にコメントをくださって、こちらこそありがとうございます。
アニメについてはラグの影響もあるようですので、想定していない動きだと感じた場合は、場所を変えて試してみることも必要なのかも知れません。
私もまたまだ分からないことが多いので、何かお気づきのことでもありましたらまたどうぞ。
ロボの完成を祈ってます。(笑)
Posted by Zusi
at 2008年02月07日 22:19
